投資にはさまざまな方法がありますが、中でも取引が手軽とされるのがFXです。FXに興味があるけれど、詳しい仕組みは分からないという人も多いでしょう。FXでは、事前に取引の仕組みやリスクの種類を知っておくことが大切です。ここでは、FXの特徴や仕組み、発生するリスクを紹介します。
目次
そもそもFXとは何?
FXは、外国為替証拠金取引とも呼ばれる投資方法の1つです。FX会社に証拠金となる自分のお金を預け、海外で使用されている通貨と日本円を交換する取引を行います。FX会社によって取り扱いをしている通貨の種類は異なりますが、米ドルや豪ドル、ポンドやユーロなどさまざまな通貨を取引が可能です。
FXで儲けを出すには何をすればいいの?
通貨の価値や価格は時間によって変動するため、FXで利益を出すには金額の差益を利用します。例えば、1米ドルが100円のときに100米ドルを購入し、その後、1米ドルが120円に値上がりしたときにすべて売却したとしましょう。購入した合計金額は100円×100米ドル=1万円で、売却して得た金額は1万2,000円です。差額の2,000円が利益になります。
しかし、FXの取引を行う際は、想定していた方向とは逆に価格が変動する場合もあるので注意しなければなりません。価格が上昇すると予測して通貨を購入したのに、価格が下落したケースなどが当てはまります。価格が想定とは逆の方向に変動すると損が発生するため、早めに売却して損を小さく抑えるなどの対策が必要です。また、FXは外貨を持っていなくても、外貨の売却ができる点も大きな魅力になります。高値で外貨を売って、価格が低くなったら買い戻して利益を出す方法です。保有していない外貨を売却する場合は、FX会社から外貨を借りて取引を行うため、FX会社に金利を支払う必要があります。
FXはギャンブルなの?
FXでは実際のお金を使用して取引を行うため、ギャンブルのようなイメージを持つ人もいるでしょう。しかし、FXはギャンブルとは異なります。ギャンブルは宝くじや競馬などのように、一か八かの運にかけるものです。価格の変動が分からず、戻ってくる金額を自分でコントロールできません。FXでは、経済の予測を立てながら投資を行う資産運用です。多くの経済指標やニュースなどを参考にすれば、今後の価格変動の予測ができます。自分でリスクのコントロールが可能になるため、FXは運にかけるギャンブルではありません。
FX初心者が最初に覚えておくべき専門用語
FXでは専門用語が使用されるため、取引に慣れない人は用語を覚えておくとよいでしょう。
◆レバレッジ
FXの最大の特徴は、レバレッジが効かせられる点があります。レバレッジは「てこの原理」のように、証拠金の何倍もの金額の取引ができる仕組みです。例えば、10万円の証拠金で100万円の取引を行った場合、レバレッジは10倍となります。少額で大きな金額の取引ができる点が大きなメリットでしょう。
◆ポジション
FXの取引を行ったときに使用されるのが、ポジションという専門用語です。自分が取引を行った立場を表し、外貨を購入した場合は「買いポジション」、外貨を売却した場合は「売りポジション」と表現されます。しかし、価格が予測とは逆の方向に変動した場合は含み損が膨らむのを防ぐため、売却をして損を抑えなければなりません。
◆損切り(そんぎり)
損を抑えるための取引を損切りといいます。自分でリスクのコントロールをするのに、とても有効な方法でしょう。また、買いポジションと売りポジションでは、同じ通貨でも取引に必要な価格が異なります。
◆スプレッド
その価格の差がスプレッドです。スプレッドはFX会社によって違いがあります。
◆スワップ
高金利の通貨を購入するともらえる金利がスワップです。スワップは保有している通貨ごとの数量と期間によって決まり、日ごとに計算されます。そのため、スワップを得る目的で取引を行う方法も可能です。
◆通貨ペア
FXの取引は、通貨ペアと呼ばれる通貨の組み合わせで表現されます。例えば、日本円と米ドルの組み合わせは米ドル/円です。ユーロ/米ドル、ポンド/豪ドルなど日本円以外の組み合わせでも取引ができます。
FXは何をすると損をしてしまうのか
FXの取引では、為替の価値が変動して、予測と反対の動きをすると損をしてしまうでしょう。初心者が陥りやすい失敗には、ポジションや通貨の数量のコントロールが上手にできないなどが挙げられます。予測を立てずにやみくもにポジションを持とうとしたり、過信によってポジションを持ち続けたりする行為は損をする原因につながります。損が発生してもそのまま放置していると、自分でコントロールができない範囲まで損が膨らんでしまう可能性があるため、FXの取引では損切りが重要です。また、ナンピンをしてポジションを増やす行為も損を膨らませる原因になります。
ナンピンとは
ナンピンとは、新しくポジションを増やすことで自分が取得した平均価格を変動させる取引方法です。例えば、1米ドル100円で購入した米ドルが、1米ドル80円になったとしましょう。新たに80円で1米ドルを購入することで、平均の取得価格を90円に下げられます。取得した平均価格の変動によって含み損の軽減が可能です。しかし、損が大きくなるたびにナンピンを繰り返すと、どんどんポジションが増えてしまいます。次第にナンピンを行おうとしても資金が足りなくなり、必要以上に損が出てしまうでしょう。
初心者が損をするリスクを最小限に抑える方法は?
FX取引の初心者が損をするリスクを小さくするためには、適当にポジションを持たないようにするとよいでしょう。予測を立てずにポジションを取ると、必要以上に損を出す原因になります。損が発生したときも、すぐに損切りをするのも重要です。あらかじめ取引する価格を設定できる仕組みもあるので活用して取引しましょう。また、予測を立てる際はファンダメンタル分析を徹底すると精度が高まります。ファンダメンタル分析とは、政治情報や経済情報などを分析する方法です。為替に関係するニュースをしっかりと確認して、変動の予測を立てましょう。FXの取引会社や通貨ペアを慎重に選ぶ点も、取引を行ううえで大切な要素です。スプレッドや手数料などは取引会社によって異なります。また、通貨ペアでも変動の幅に差があるため、よく分析して確認してから取引をするとよいでしょう。
まとめ
FXの取引は、リスクの大きさを自分でコントロールできる点が特徴です。あらかじめどんなリスクがあるのかを知っておくと、リスクの大きさが把握しやすくなります。FXは海外情勢や外貨の知識が付く投資方法です。どんなノウハウやテクニックが大切なのかをよく考えながら、FX投資を始めてみるとよいでしょう。
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